大成功を収めたインフルエンサーマーケティング事例4選を紹介
インフルエンサーマーケティングはもはや数あるマーケティング手法の中でも主流と呼んでも差し支えないだろう。
初めは懐疑的であった大企業も徐々にインフルエンサーマーケティングをスタートさせており、いくつかの驚くべき成果も挙げ始めている。
2018年以降もインフルエンサーマーケティングから目が離せない。
そこでインフルエンサーマーケティングの基礎知識を確認した上で、2018年までに行われたインフルエンサーマーケティングの知っておくべき成功事例をいくつかご紹介したいと思う。
2018年も大注目!インフルエンサーマーケティングとは

そもそもインフルエンサーマーケティングとは何か。
基本知識をおさらいしてみよう。
インフルエンサーとは英語Influence(影響)から生まれた言葉で、文字通り周りに影響を与える人物を指す。
インフルエンサーマーケティングはそのインフルエンサーを中心として行うマーケティング手法である。
SNSやブログなど特定のコミュニティで強い影響力を持つ(フォロワーやファンを数多く抱えているなど)人物に商品やサービスのPRを依頼し、消費者に購買行動を訴求することである。
それまでは不特定多数のターゲット層に大きな予算で広告を打つしか方法がなかった従来のマーケティングに対して、インフルエンサーマーケティングは特定された市場にアピールするために、効果が高く見込むことができるのだ。
またテレビCMのように企業が直接消費者にアピールするのではなく、インフルエンサーという第三者を挟むのもインフルエンサーマーケティングの特徴である。
世の中に情報が溢れ、消費者が情報を取捨選択する必要性が生まれ、さらに直接的な広告を嫌うようになったことにより、自然な、ユーザー目線に近いインフルエンサーマーケティングが台頭してきたとも言える。
それでは日本でニュースにも取り上げられたインフルエンサーマーケティング の成功事例をみてみよう
大成功を収めたインフルエンサーマーケティング 成功事例5選

2018年時点で大きな注目を集めることになったインフルエンサーマーケティング 。
それにはちゃんとした実績や成功事例が存在するからこそ。
それら成功事例を5つご紹介する
メルカリのyoutuberを使った事例
メルカリはスマホ上で誰でも簡単に売り買いができるフリマアプリ。現在は上場を果たし、アジアや北米でシェアを広げている。
そんなメルカリは人気Youtuberの”テオくん”とtwitterやYoutubeで様々なインフルエンサーPR を行なっている。
その1つがオリジナルのメルカリに関するあるある動画を投稿。リツイートは1,000回以上されtwitter上で大量に拡散されることになった。
また私物が当たるリツイート&フォローキャンペーンやYoutube上でのオリジナルCMソングを発表し大きな成果を残した。
この成功の要因はメルカリのメインユーザー層である10代や20代前半の人々に絶大な支持を持つ人気YoutuberのキャスティングとtwitterやYoutubeの特性をよく生かしたコンテンツメイクにある。
人気NO1インフルエンサー渡辺直美によるディズニーリゾートPR
インフルエンサーのフォロワー数日本一であるお笑い芸人の渡辺直美をディズニーリゾートがインフルエンサーとして起用。
期間限定キャンペーン「夏5ウィークデーパスポート」のPRを行なった。
これは5PM以降入場できるというチケットを発売し、夕方以降の入場者数の増加を目指したキャンペーン。
夕方以降の写真投稿というポイントに絞り、「#夏5でやってみた」というタグをつけるというシンプルなものにしたことが功を奏した。
一般ユーザーによる積極的な参加があり、twitter、Instagram上では「#夏5でやってみた」のハッシュタグをつけた投稿が続々と行われた。
またメインPRを担当した渡辺直美さんの投稿はInstagram上で44万いいね、1900コメントが付くという結果に。
このキャンペーンは日本最多のインスタグラムでのフォロワーを持つ渡辺直美の起用が大きな成功要因であるが、やはり彼女の持つ明るいキャラクターがディズニーとマッチングした事も大きい。
クリエイター101人とコラボしたロッテの新商品PR
ロッテは新商品「EATMINT」を発売するにあたり、全国のコンビニと駅の中にある売店で先行発売を実施。
それと並行して101人のクリエイターや著名人にtwitterを通して連絡。
彼らに「イートミントなう」のハッシュタグと共に101人それぞれの表現方法でtwitterに拡散を依頼。
用意したのは基本的な3タイプのフォーマットのみ。それをクリエイターが写真、イラスト、コピーライティングと独自の解釈で表現を求めたことが成功の大きな要因だ。
twitterでのトレンド1位を獲得するなどタイムライン上では一時「EATMINTなう」のハッシュタグが占拠する状態となり、大きな露出をすることに成功した。
インフルエンサーのお手本動画でCM制作に繋げた、大塚製薬ポカリスエット
このケースは動画&ライブコミュニティアプリである「MixChannel(ミクチャ)」で行われた大塚製薬ポカリスエットのキャンペーンでダンス動画コンテストの周知と企画の盛り上がりを成功させたもの。
流れとしては「MixChannel(ミクチャ)」内の何組かのダンサーインフルエンサーを起用。
それらダンサー達にダンスコンテストのお手本動画アップを依頼。一斉にダンス動画がアップされた。
その中でも特に盛り上がりを見せたのがダンスユニットSTYLEのダンス動画。
3人組の女性ダンサーたちだが、バスケットコートの中で踊るダンス動画は多くの反響を呼んだ。
STYLEのお手本動画に影響されたフォロワー達が自らダンス動画を投稿したり、コメントやシェアを他のプラットフォームであるInstagramやFacebookなどで行うという状態に。
これにより複数チャンネルでこのお手本動画が拡散され、大量のコンテストの参加者を獲得、またトレンドとしてポカリスエットの本気ダンスコンテストというキーワードが上がることになった。
このキャンペーンで注目されるべきは、的確なターゲティングでインフルエンサーをキャスティングした点であるが、彼らの活躍しているプラットフォームの選び方である。
「MixChannel(ミクチャ)」は10代を中心とした動画、ライブ投稿アプリ。
今回の大塚製薬ポカリスエット”本気ダンスコンテスト”と非常に親和性が高く、そのキャンペーンは写真を中心としたInstagramやマルチコンテンツが中心のFacebookでスタートするよりも効果的であった。
成功事例にみるマーケティングのポイントとは

これらインフルエンサーマーケティングの成功事例はもちろん偶然起こったものではなくちゃんとした理由があるのは明らかだ。
ROI(費用対効果)に見合った結果をインフルエンサーマーケティングで得るためにはいくつかのポイントを抑える必要がある。
マーケティングのKPIを設定する
インフルエンサーマーケティングを行う前にまず設定するべきはKPIである。
それがブランディングの向上なのか、新規顧客層の開拓であるのか、CVなのかをあらかじめ明らかにしておくと良い。
KPIを何に決定するかにより、インフルエンサーマーケティングのキャンペーン内容が変わってくる。
ターゲット層に対して適切なインフルエンサーをキャスティング
インフルエンサーマーケティングを行うにあたり最も注意を払うべきはインフルエンサーのキャスティングである。
ターゲット層に適切に商品やサービスをリーチさせるためにはキャスティングを適切に行う必要がある。
まずは何を目的にするのか(ブランディングなのかCVなのか)を明らかにし、それに必要なインフルエンサーのフォロワー数や、キャスティングするインフルエンサーの人数を決定するべきである。
プロモーションであるということを表示するべき
インフルエンサーをマーケティングに起用した場合、(特に有名人、著名人であるならなおさら)はハッシュタグやディスクリプションに”これはキャンペーンやPRである”と明記するべきである。
インフルエンサーが行うプロモーションがキャンペーンやPRであることが表記されていないとユーザーからこれは”ステルスマーケティング”であると見なされ、インフルエンサーのみならず、クライアントである企業がユーザーたちから攻撃されるということは十分考えられる。
広告宣伝用のハッシュタグを用意しておく
インフルエンサーにせっかく商品やサービスをプロモーションしてもらっても、リンクURLを貼ることができないInstagramのフィードや次々と流されてしまいがちなtwitterにはあらかじめ用意しておいた広告宣伝用のハッシュタグを用意しておくとよい。
例えば、先述した大塚製薬 ポカリスエットの「本気ダンスコンテスト」の場合はダンス動画を見たい人やキャンペーンに参加している仲間を見つけるのに#本気ダンスなどの広告宣伝用ハッシュタグを用意しておくと用意に遡って投稿をユーザーが見つけることができる。
まとめ
以上、大成功を収めたインフルエンサーマーケティング成功事例を4つと、その成功事例を収める要因となったポイントをあげて解説した。
インフルエンサーマーケティングはただ有名なインフルエンサーをキャスティングすれば成功すると簡単に思われがちだが、今まで読んでいただけるとわかるように、決してそうではない。
ROIに見合った(それ以上の)効果を得るためには、事前のキャンペーンを行う前の事前の市場のリサーチとターゲット層の調査、紹介する製品やサービスの特徴や特性をマーケティングサイドが理解しておくことが何よりも重要だ。